セリエント感想①『登坂車線』

『登坂車線』


 まずは書籍の説明から致します。短篇集『セリエント』は漫画・小説投稿サイト新都社の強豪作家陣が文学フリマに出品するために集い書き上げた短篇集です。作家陣は自身たちを『グローバルエリート(略称グロエリ)』と称しています。自分は文学フリマに行ってないので後日配信されたKindle版を購入しました。
 その上で、せっかくなので在りし日を思い出し読書感想文を書こうと思い立ったのがこの記事であります。なお予定ではありますが一作品読むごとに一感想のペースで記事を投稿しようと思っていますので、今回を含めて全5回になります。どうせ他に書くこと無い(訳ではないけどそれはその時に話す)ので、一気にやっていこうと思います。


第一作目『登坂車線』


◎作品概要(作中概要を引用)(ネタバレを含みます)

 冴えない二人の中年サラリーマンが会社への復讐として行き当たりばったりの誘拐事件を引き起こす物語で、最先端バイオ技術を下地に、企業に使い潰される社会人の悲哀が描かれる。旅の果て、彼らが辿り着く未来はいかに?


◎感想(ネタバレを含みます)

 短編と聞いていたので一気に読んだのですが、概ね以下の感想を得ました。

 1.短くセリフが多いので読みやすい。一息で読める
 2.設定や構成は良い・展開も簡素で明快
 3.オチは予想外
 4.文章の端々から滲み出る現代的労働環境への呪詛


 1.短くセリフが多いので読みやすい。一息で読める
  実際一息で読みましたが、非常に読みやすいです。粗がないという意味ではなく、入り組んだ表現や想像に労を要する描写がないのでスラスラっと読めるといった意味合いです。またこれは体感ですが、セリフの割合がかなり多かったように思います。数えてませんが3分の1ぐらい会話だったのでは?なんて。文章に使われている単語、表現についても極力平易かつ一般的なものを使うように心がけているような印象を得ました。文章、読みやすさについては保証します。

 2.設定や構成は良い・展開も簡素で明快
  その上で、肝心の物語部分についてですが、これも吸引力のあるよい題材だと思います。概要で示されていたように突発の誘拐もので、動機や背景に明確な『何故?』ができているので掴みはバッチリです。さらに構成ですが、誘拐直後からエンディングまでの時間軸と誘拐に至るまでの話を交互に挿入する方式を選択したのは良い判断だと思いました(ただ過去時系列に最初に移行する所の場面転換が若干分かりづらかった)。
  展開についてですが、これについては若干の物足りなさを感じました。特に現在時系列のほうですが、過去時系列で人死や奴隷労働の背景を示したり誘拐に繋がる感情的な大波を詰め込んでいるのに対して、現在時系列では車乗ってコンビニ寄って海行ってコンビニ寄って、とかなり平和です。三人のやりとりの中に『実は…!』的な動きはあるんですが、それは置いといて目的地へ急ごうじゃないか、となっているような。人生ご破算が目前に見えてる二人(と一人)のラストドライブの美しく平和な情景と、そこへ至る過酷で救いのない背景を交互描写で対比させているという見方も出来ますが、もしその算段なら現在時系列をもう少し美麗に・内省的に表現して欲しかったです。もっともごく短い短編ですから、妙な乱高下を入れずに一気に駆け抜けようという設計でも全く不思議はありません。

 3.オチは予想外
  では一気に駆け抜けたとして、ゴールに待っているオチはどうでしょう。
  ・ツトム、ノリタカは失職。二人共再就職する。
  ・シートゥーは生存したが、社長の庇護下から離れ現在入院中
  ・社長はシートゥーを手放し、再び元の社長の座へ戻る
  三人は社長に抗うでも折れるでもない、第三の選択をしたわけです。正直かなり肩透かしでしたが、なるに任せ結果として古巣に帰れるでも死ぬでもない、何とも評しがたいところに落ち着いた三人の現状そこが、未来に希望が持てないが少なくとも明日は来てくれる、という現代社会で若者が置かれている立場を象徴化したものでないか、そしてそんな微妙で輝きのない”明日への希望”が、この短編で著者が描きたかったものではないのかと感じました。

 4.文章の端々から滲み出る現代的労働環境への呪詛
  本作に主題の他のテーマがあるとすれば現代社会の労働環境への批判でしょう。文章・物語のあらゆる階層でブラック労働の退廃的な現状が綴られています。私は著者と面識がありませんが、聞き及ぶ限りではそういった描写はだいたい実体験なのではないかと思われます。そう思うと文章がら立ち込めてくるオーラがまた一段違って見えますね。
  ところでここまでスルーして来ましたが、この作品の舞台っていつごろの日本なんでしょうね。これといった但しがないので現代なんでしょうが、都市の治安描写が世紀末感あってとても良かったです。関西は怖いなぁ。


以上です。指摘などはコメント欄かTwitterへお願いします。




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小説関連の懺悔

私、気付いてしまいました。

ちょっとした気持ちで始めた短編小説。
全然短編じゃねー!!!

考えれば考えるほどストーリーが細かいものになっていく。大筋は完成してるのに、その途中途中で壮大なより道をしてしまう。終いにはあらぬ方向に向かい始め、修正に次ぐ修正。そんなことをしているうちに、現在txt形式で43キロバイトという結構な文章量に。そのくせ予定の半分も消化できていない。完成する日は来るのか。書いてる本人は中々楽しんでいるので、問題ありませんが、短編と銘打っている以上「グインサーガ」※のようになってしまうのは避けたい。

※物語が完成する前に作者が亡くなってしまいました。

さてさて、まぁ、頑張ればいいんですよね。
私の頭(ねずみが回し車を回しているような物ですが)の計画では、小説が完成し次第それをもとに漫画を描こうかと思っているのです。壮大すぎていつになるやら分かりませんがね。私はやります。せっかく作っても見てくれる人がいないと意味無いので、それまでにこのブログを少しでも有名にしないといけません。そのためには"絵”を載せるといいと友人が言っていました。

なるほど。全ては繋がっているというわけか。

まぁ、気長に頑張りますヨ。

細かいことは後から考えればいいでしょう。



そう思うと夏休みが少し楽しみになってきました。
今から中編に修正しても遅い?

創作意欲


 漫画を描けるようになりたい私にとって、絵を描く練習は重要な作業です。しかし、それと同じぐらい重要なことがあります。それはお話の骨に当たるもの、『ストーリー』。漫画は主に絵とストーリーで出来ています。それを忘れてはいけません。

そして私はそれを忘れませんでした。普段の暇な時間を有効に活用にして、私はそのことについて考えていました。

そして色々考えた結果、形にしてみることにしました。

idea②
idea③
idea④
ARIAで!
これはいわゆるあらすじというものです。ふとしたひらめきを発展させていった物なので、面白いとは限りませんが。個人的には②が面白い話にし甲斐があると思う。

いつか、これらを漫画にしていけるときが来るとうれしいですね。




ps
以前あげた小説(のようなもの)を最優先で終わらせるべきなのに、全然進まないのは飽きたからじゃないですよ。時間が無いだけです(さっき暇な時間て


打ち込める時間が欲しいです。

小説2

続きです。

1.海辺の風
2.夕日と闇


テキストブラウザ(メモ帳)で数キロバイトごとに章構造になってますので、そんなに長いもんじゃないと思います。注意として、書式から《右端で折り返す》を選択しておいてください。横の幅は37文字分ぐらいが妥当だと思います。

完成したらまとめて上げます。

プロフィール

複素数

Author:複素数
名前:複素数
新都社で『伯方さんと僕』という漫画を連載しています。http://neetsha.jp/inside/comic.php?id=12094
pixiv: http://www.pixiv.net/member.php?id=797664

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