FC2ブログ

編集中記

 いつもは更新の後に一話分の作業を振り返って反省をするシリーズ「編集後記」ですが、今回は作業方式の変更の関わりもあって全工程終了前に一度メモ的に今回の変更事項について記しておきたいと思います。


・作業方式に係る変更

 従前、私が原稿を仕上げる場合、ネームの後の工程についても工程ごとで区切って1から終わりまで進めていく方式でした。つまり、例えば17pの原稿があったとして、ネームを17pぶん終わらせた次に行うのは鉛筆下書きを17pぶん進めることであり、それが終わったら線画ペン入れを17pぶん一気に進めるというやり方でした。
 漫画を書き始めた当初では、一話分の区切りとか更新当量目安とかの概念がなく思いついた順に5~7pくらいで書いていたのですが、これがプロットを組むことを覚えていくに従って一話の容量が10pを超えるようになり、今ではだいたい週刊連載1話ぶん(15~20弱)くらいでまとまるようになっているのですが、このページ数で上記の方式をすすめると途中で飽きが来ます。飽きるとどうなるかというと、原稿作業を止めて他のことを始め、やがて原稿のことを忘れます。これが従来繰り返されてきた更新遅延の根本原理です。
 新しい作業方式では、作業項目ごとだった作業を、ページごとに変更します(ただしネームについては従来通り一括で行います)。ネーム終了後に行うのは全ページぶんの下書きではなく、1p目の下書きです。その次に行うのは1pの線画、ハッチング、背景、トーン…と続きます。そうして1p目が終了したら、次は2p目の下書きにとりかかるというものです。
 この方式の利点はまさに作業内容が適時変わることで、飽きが来るのを防ぎます。しかしながら、この作業内容が頻繁に変わることがまたデメリットでもあります。作業項目を移る時、例えば下書きが終わって線画に移行するといった状況では、多少の頭の切り替えを要求されます。それが頻繁に来るというのは辛い時は結構つらいもので、時に手がとまったりします。ただ、慣れである程度克服できそうな感じが既にあるので大丈夫そう…だといいな?


・作画技術上の変更

 見かけ上分かる変更として、ハッチングを導入したことについてもここで書きます。以前の私の原稿では、輪郭線以外の色彩や陰影表現はすべてトーンで補っていました。これはあまり見栄えのいいものではなく、私自身ずっと悩んでいました。線の太さで最大限陰影を補ったりしてみましたが、まさか線でびっしり原稿を埋める訳にもいかず、頭を抱えていました。そこで登場するのがハッチング(網掛け)です。
 参考にしたのは宮﨑駿の風の谷のナウシカ(漫画)です。同作はトーン処理を最小限にして、基本的にはハッチングとベタ処理で人物から背景に至るまで色彩と陰影を表現しています。劇画ともちょっと違う、どちらかというと中世ヨーロッパの木版画のような質感です(その上で違和感なく見えるのは宮崎氏の技量によるところ)。ここで詳しい分析は致しませんが、基本的にはこの作風を参考に作画をしていきたいと考え現在も執筆しております。
 具体的な変更点については上げればキリがないほどで、あるいは未だ試行錯誤の状態ですので具体的にこう!とは申し上げがたい部分なのですが、まず黒髪の表現が70%のトーンからハッチング表現に変わりました。見栄えの点では未だ疑問符が浮かぶ程度ですが、表現の自由度という意味では(少なくとも変更については)満足しています。何より、ペン一本でできる表現の幅が広まったというのは純粋に嬉しいことです。


追記:

 そんなわけで一度リリースしましたが、いくつか反省点が見えてきたのでその点についても考慮します。

・ハッチングの密度
 トーンをおさえてハッチングで補ったつもりでしたが、圧倒的に白い原稿になってしまいました。つまりハッチングの密度が足りなかったわけです。また、ハッチングとベタで表すグラデーション表現も黒髪部分だけで使うと周囲が白いので浮くことがハッキリわかりました。もっと黒ベタをガンガン突っ込んでいかなきゃダメそうです(と言うか背景を描け)。追加ついでに、中記時点では仮に禁則としていたハッチングでのグラデーション表現とトーンの併用については、やったほうがよいという事がわかったのでこれも改善します。

・輪郭線のアンチエイリアス
 ラノベっぽいタイトル(笑)。どうも打ち出して縮小した原稿をブラウザで確認すると、そこまで露骨ではないにせよ若干輪郭がささくれているような印象がありました。後で再確認しましたところ、ウェブ表示状態と打ち出した直後では特に変化がなかったので、縮小の仕方が悪かったのか?とも思いましたが作業環境がSai1なので高機能なエンコーディングが出来るわけでもなく困ったなあといった具合です。とりあえずの処置として、描画時の線の品質(従前は速度最優先=荒くなる)の調整など出来る範囲でいくつか条件を変えて試験してみようと考えています。まぁすぐ終わりそうだし
スポンサーサイト

コメント

非公開コメント

プロフィール

複素数

Author:複素数
名前:複素数
新都社で『伯方さんと僕』という漫画を連載しています。http://neetsha.jp/inside/comic.php?id=12094
pixiv: http://www.pixiv.net/member.php?id=797664

FC2カウンター

フリーエリア

バナーリンク

Firefox ブラウザ無料ダウンロード

QRコード

QRコード