あけましておめでとうございます/VR体験行ってきました/VRを題材にした漫画

あけましておめでとうございます。こちらは今2017年です。


去年末、新都社の不良社員たちと人権補充をした折、VR体験会に参加しました。
参加したのはドスパラ秋葉原本店にあるVIVEのブースで、HTCのゴーグル一式を体験できました。

ドスパラ秋葉原店
キャプチャdos


まず、私自身勘違いしていたんですがVRというのはゴーグルのみを指すものではありません。
(PS4のオプション部品であるPSVRを除く)VRは、基本的に以下の部品で構成されます。

・VRゴーグル
      -3D映像を見せるもの。左右の目の先に小さなディスプレイが1つずついている。
・コントローラー
      -ゲーム内で手やカーソルの役割をするもの。Wiiのコントローラーを両手で持つようなイメージ。
・パソコン
      -映像処理をする。現状のVR環境はいずれも高度なグラフィック処理能力が必要とされる。
・モーションキャプチャーカメラ
      -VRゴーグル及びコントローラーの動きを検出する。必須。


図:VR環境の構成(出典:NECソリューションイノベータ)
vr_ph02.png

 一応補足しておくとモーションキャプチャーカメラというのは人間の体や四肢の動きをコンピューターに取り込む装置です。コンピューター内でVRゴーグルの位置や向きをリアルタイムで管理することで、人間が首を動かした時はそのぶんVRゴーグルに出力する映像を動かす、という処理を行います。
 元は3DCG映像内で人間のキャラクターを実際の人間と同じ動きで動かすための技術でしたが、Microsoft社のKinectなどによりより軽便に利用できるようになっています。



利用所感:

1.高い没入感
 デモプレイで遊んだゲームはいずれも数日で作った、または一昔前のゲーセンに置かれてそうな安っぽいもの揃いでしたが、視界を完全に画面が覆い、首の動きに連動して画面が動く没入感は圧倒的でした。私が遊んだのは
①ジェダイの騎士になって飛んでくるブラスターのビームを跳ね返す
②ジェットコースターに乗る
③ゾンビを撃つ
の3つでしたが、いずれも自分がどこにいるのか忘れてしまうほどでした。特筆すべきはジェットコースターで、実際はただ椅子に座っていただけなのに、画面内で急降下したり左右に揺れると体も合わせて傾いてしまうのです。さいごには叫んでいました。VRの視覚特性を生かすならああいったアトラクション要素の強い体験ゲームが理想的なのかもしれません。逆に、既存のコンシューマ/PCゲーム(マウスとキーボードないしパッドで遊ぶ)とVRがリンクする機会は思ったより少ないかもしれない、とも感じました。ただ、次世代ゲーム機の皮をかぶった体操器具と言われていたWiiも最終的には普通のゲームハードっぽいソフトラインナップになっていたので、前提ハードとしてVRが普及するのはおおいにアリと思います。


2.制約
 ゲーム体験としては最高でしたが、体験に際してあらゆる方向に制約があると感じました。

2.1 動きの制約
 上述のようにVRではユーザーの位置座標の検出にモーションキャプチャーカメラを利用しています。私達が体験した環境では、2つのカメラが対角線上に壁の高い位置にセットされており、ユーザーを見下ろす構造になっていました。即ち、このカメラの写角内が実質上のプレイの範囲内になります。これはカメラのセット距離に依存するので、上限はあれど部屋が広ければそれなりに広く遊べるでしょう。問題は最低限遊べるだけの広い空間を自宅に確保できるかで、誰もが用意できるかといえば難しいでしょう。
もう一つ動きを制約していたものがあります。実は体験したVRゴーグルは有線式で、装置の後ろから出たケーブルがパソコンと直につながっていました。デモでは天井にケーブルを吊り下げる中継タグをつけて、それをカーテンレールで可動させていたのでケーブルが突っ張って動けないという場面はありませんでしたが、それでも遊びながらぐるぐる回っているうちにケーブルが体に巻き付くような場面は見受けられました。年内にも無線式モデルが出るだろうそうですが、完全に自由なプレイはまだ先だなと感じました。

2.2 導入の制約
私の部屋は家具模様をデフラグしてがんばれば8畳ぶんぐらいの面積が確保できるので、値段次第では導入もかくや、と体験した直後は考えていたんですが、値段と導入ハードルを考えて冷静さを取り戻しました。私が体験したHTC VIVEを例に考えましょう。最低限構成ではなく最低限度快適構成で、デモと同じ環境を作るとして、

HTC VIVE(ゴーグル本体)                   - \107,784
ベースステーション2基(モーションキャプチャーカメラ)  - \34,000
コントローラー2基                       -  \32,000
3-in-1ケーブル(長いUSBケーブル)             - \4,900
リンクボックス(USBやHDMIとゴーグルを中継) - \3,700

この時点で小計は                       - \18,2384
にもなります。また、デモ中に補助役のお姉さんにチラッと聞いたところ、デモ用のマシンのビデオカードはGeForceのGTX1060だとか。現状の私のPCは1000番代には遠く及ばないのでこれも購入となります。ケチっても仕方ないのでグラフィックメモリは6GBのものにすると、最安でも¥28,000台(価格コム調べ)になります。上記の小計に\28,000を上乗せすると\210,384、20万超えます。いやぁ~キツイっすわw
 
 これはVRを取り巻く業界全体の傾向なんだそうですが、技術的に模索状態な現状、廉価な一般市場向け製品を出すよりは高価でハイエンドなモデルを次々出してゲーム機として確かな手応えがつかめるまでは開発を続けていく、という状態だとか。確かに遊んでみた感じ、今すぐ現状のゲームハードたちのお株を奪えるかといえば微妙な感じでした(PSVRという例外がありますが)。逆にPSVR相当の家庭用ゲームと地続きのVRデバイスは各社計画しているところかと思いますので、17年中には出てくるのかなと予想します。そういう意味では、ただVRで遊びたいと考えている人はパソコンで動かすVRシステムを待つぐらいなら家庭用ゲーム機を買ったほうがいいと考えます。

これを読んでいるなかに、まだVRには触れたことがないという方が居ましたら、週末にお近くの体験ブースで体験してくることをお勧めします。感動しますよ。




ところでみなさん花沢健吾先生の『ルサンチマン』という漫画はご存知でしょうか。
20160329005007.png
プロセッサが高性能化しVRが広く普及した近未来の日本で、女性に縁がなくこのままでは一生独身になると危機感を抱いた主人公が友人の勧めでVR装置と専用のギャルゲーを購入するところから物語は始まります。冒頭のあらすじだけ見るとSAOか?と思いますが、SAOが意識が飛んじゃうタイプのSFちっくな仮想現実世界なのに対し、ルサンチマンの仮想現実は極めて現実的で、ほぼ上で紹介した現在の機器構成そのままです(より”高度”なオプションパーツが出てくるぐらい)。ストーリーはWikipediaにあるので読んで下さい。すごく面白いですよ。
 同作品が連載されていた頃はオンラインゲームにのめり込む人々が社会問題になっていた頃で、同作品もそういった背景を取り入れているものでありますが、VRが現実のものになった現在に読み直してみると、また違った印象をもつかもしれません。

今年最後の紅葉

写真撮りました。
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 もうぼちぼち紅葉も葉が落ちて枯れ始めたので慌てて撮ったのですが、手ブレ・ピンぼけ・光量不足という写真悪要素3つをコンプリートした大失敗写真になってしまいました。いっぱい撮ったんで何枚かいいのあるだろ、と甘いこと考えてたんですが全部こんな感じでした。
 弁明させて欲しいんですが、写真撮ったのが早朝の日の出前で、現場は写真で映ってるよりも暗かったんです。ISO最大にしてシャッターもものすごく重くなってたので、しっかりホールドしてたはずがこのザマという訳です。三脚とか使えば良かったんでしょうが、そんな写真ガチ勢じゃないので…

最もマシだった一枚を補正して見れるようにしたものDSC_079220.jpg

何年か前に行った草津での夜間撮影と体感では同じぐらい暗かったのに、こちらだけ写りがクソ悪いのは不思議です。証明光量によるところが大きいのかな?
(参考)草津写真
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カメラは趣味ではなく作画資料収集用と割り切っているのですが、なまじ一眼はほぼゼロオプションの裸状態でも重くかさばるのであんまり持ち歩かないもんでさほど写真が集まらないというのがつらいところです。以上です。

ジャイロ効果VS手首 

こんにちは。今回はほぼ日記です。


1.パワーボール買いました
パワーボールとは?

パワーボール(英: powerball)は、ジャイロの原理を応用したトレーニング器具。使用中に蜂の羽音のようなうなりを上げることからダイナビーとも呼ばれる。
野球ボールほどの大きさの球形プラスチックケースに、重量のあるボールが内蔵されている。ボールの中心には金属の軸が通っており、これを中心にボールが回転する。軸はプラスチックケース内部の赤道面を自由に動くようになっている。ボールには糸を巻き付けるための溝が彫られている。プラスチックケースの一部からボールが露出しており、露出部分から前述の溝に沿って糸を巻き付け、それを高速で引き抜くことにより回転をあたえる。


イメージ

 つまり手首や握力を鍛える筋トレグッズです。肘より先の筋肉が画力に比例するという持論を証明すべく購入し、ウィンウィン回って面白いので四六時中回してました。
 最初は効果がありました。絵を描く前にウォームアップで軽く10分ほど回すと手の筋肉が温まり、線を正確に引くのが楽になるなどしました。しかし机に向かってる時間でペンを持っていない間はほぼ全てこれを回す、といった無茶な使い方してたせいか、見事に右手首を痛めてしまいました。ごく軽度でそれほど深刻ではないですが、何事もやりすぎはいけないという事でしょう。
 余談ですがどうも使い方が悪いらしく、パワーボール側も買って数日しか経ってないのにプラスチックの軸が削れてボール内に破片が溜まったりしている具合です。Amazonで一番安いやつだったのでこんなもんかって気もしますが、どういう回し方が正しいんだろう。


2.紅星白酒買いました
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最高にレッドチャイニーズっぽくてカッコイイボトルデザイン
以前ザンギー(銀座)の北京ダック専門店でコース料理のドリンクとして出てきた分君酒という高級酒の味が忘れられなくて、同じカテゴリの大衆酒である紅星に手を出しました。分君は一袋100円とかで売ってそうな安い飴を連想させる極端に強いフルーツフレーバーが特徴でしたが、紅星にはそんな小洒落たものはなく、たぶん原料のとうもろこしと熟成過程由来なんだろう『沢庵』のような香りが広がるだけです。しかし重要なのは度数。ふだん40度ぐらいのお酒を舐めるように飲んである意味慣れてる自分でも『カーッ!』ってなるような強いアルコール(56%)は、分君のそれと寸分と違わないパンチでした。これから冬ですから、気付けや寒さ飛ばしにあおるにはもってこいですね。ちなみにAmazonだと輸入酒なのに800円弱というすごい値段で売っているので、気軽に一瓶買って棚に入れておくのもいいかもしれないですね。
特制 紅星  二鍋頭酒(アルコードシュ) 56度 500ml入り


3.平田篤胤の世界(ペリカン社)買いました
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平田篤胤という御仁をご存知でしょうか?江戸時代の国学者で、古事記研究で有名な本居宣長の(一応の)弟子にして日本神話研究や神道研究の界隈では名のしれた山師学者です。氏はその有り余る想像力と行動力で、自ら師と仰いだ宣長の築いた資料研究のスタイルを遥かに飛び越え、神話解釈や現世の構造について多くの著書を残し幕末から戦前の皇国史観に至るまで大きな影響を与えました。と自分が知っているのはこの程度なのでこの辺にしておきます。
 本書を買うにあたり篤胤先生自ら執筆した『仙境異聞(仙術を修めた少年と篤胤先生の対談形式により神道的世界観を明らかにしていく実録取材本)』という本の現代訳とどっちを取るか悩みましたが、自分のような素人には一次資料を買うより二次的に俯瞰した本がふさわしいと思いこちらを選びました。


絵も描きました

作業に対するアルコールの効果の備忘録

お久しぶりです。
今回も作画作業時の助けになる、または効率を改善する方法に関連しそうな気づきについての備忘録を記していきます。

今回のテーマはアルコールです。が、自分は医者でも薬剤師でもなく学術的な知識は無いので、今回も体感にのみ基づくメモの形式を取らせていただきます。



1.アルコールの概略的効果

 これは特に文字書きに多く聞く話であるが、酒を飲んでいないと作業が出来ないという人が時折いる。自分も「アルコールに作業能率を上げる効果があるのでは?!」などと真に受けて飲みながら作業をしたことがあったが、これは全く逆効果であり、一部の事項をのぞきほぼ阻害要因にしかなり得なかった。
 まず、一般的にアルコールの効果とされている点について確認しよう。アルコールの効果として有名なのは、集中力・注意力の減退、気が大きくなる、運動神経が鈍る、血流の増加などである。


2.作業に対するアルコールのマイナス効果

 一つ目の集中力・注意力の減退は、飲酒運転が事故につながる主要な要因であることから分かる通り飲酒量により非常に強い効果として現れる。前回の作業BGMの重要性で述べたが、集中力や注意力は強すぎると逆に周囲の要因に意識がいってしまい目の前の作業に集中できないという状況を作る。そのため適度に減退する分には良いが、その「適度」に相当する飲酒量などせいぜいシングル1杯分程度(個人の尺度)であろう。それを超えると目の前の物事にすら集中できなくなり、筆のカーソルを目で追い続けることすら出来なくなる。その頃には酩酊状態で、作業どころではなくなっているはずだ。また注意力の減退も塗り忘れや行程とばしを誘発させるので非常にまずい。また、これは絵描きに特有の話だが、立体的な絵を平面に描いたりするのは意外と脳の容量を使う(デッサン専用の回路が脳内にあると考えてもらえると早い)。集中力が減退したり、脳への血流や酸素供給量が減ってこれらの部位が充分に働けなくなると、そもそもまともに絵が描けなくなってしまう。
 三つめの運動神経の鈍化も絵描きにとっては致命的である。絵を描くという行為は手を使う。もちろん小説執筆にも手は使うが、タイピングとドローイングでは根本的に動作が違い、描画行為では常に精細な手の動きを要求される。デジタルツールでは補正で多少であれば何とかなることもあるが、基本は同じで手の動きの繊細さはあればあるだけ良いのだ。飲酒によって手が震える、というとかなりの深酒をイメージするだろうが、震えるまで行かなくとも、その手前の段階でも確実に影響は出てしまう(ちなみにブログ筆者はちょっと飲んだだけでも手が震える)。複雑な制御点を経由する線や、細かい強弱調整を要求される描線を引く時、しらふなら難なく出来るようなものでも酒が入っていると意外と苦戦したりする。
 と、ここまで書けば百害あって一利なしのように思われるが、やはり酒を執筆の友にしている人が一定数居る以上、それに値するプラスも存在する。筆者はアルコールにめっぽう弱いたちなのであまりプラス面に触れる機会が無かったが、下戸でも受けられる範囲の恩恵について体験を思案で補って書き加えておこう


3.作業に対するアルコールのプラス効果

 早い話が1.で紹介したアルコールの効果のうちマイナス要因で触れなかった事項がプラス要因になる訳だが、とにかく順に触れていこう。
 まず二つ目の気が大きくなる点だが、これはつまり羞恥心からの開放を意味する。想像して欲しい。白い人漫画でも夢小説でもSSでも良いが、あなたが普段抱えている劣情を精細なディテールで具体的な形を伴った物語に書き起こしていくのだ(しかもあなたはその点について公にすることに抵抗を感じている)。一度でも体験した事があるなら容易に共感してもらえるだろうが、これは例え一人に部屋で真夜中にやっていたとしても、かなりの羞恥心を感じる。自由で奔放な創作を常識が妨げると言うと偉そうだが、そんな偉そうな物言いの偉大な先達たちもこの悩みには直面していたはずだ。羞恥の他にも良心の呵責や作品を公開することで自分の社会的地位を貶めないだろうか、といった類の不安は気にしだせばいくらでも湧いてくる。これらの種々の不安に効くのがアルコールだ。この効果については太鼓判を押そう。『理性や常識などくそくらえだ。純度100%の欲望に下支えされていない気取った娯楽などしょせん2流以下だ!』などと普段から豪語できる人は酒の力など借りる必要はないかもしれないが、そうでない人はここぞという場面の直前に1杯あおってみるのはどうだろう。(経験則だが、この効果の恩恵を受けている人は文字書きのほうが比率が大きい気がする。まぁ過激な一枚絵より過激なSSのほうが恥ずかしいもんな)
 さて、気分的にはこれで終わりで良い気もするが、もう一つ残っているのでついでに紹介しておこう。この効果については実は今さっき意図せず実践して気づいたのだ。残っている効果は4つ目、血流量の増加である。厳密には血圧の増加と表現すべきかもしれない(医学に明るい方の訂正をいつでも受け付けます)。カフェインやニコチンがそうであるように血管が収縮し、血圧が上がり血が前身を掛け巡る(ただし酸素は内蔵で消費されるので脳への供給量は増えない、ってこの理解で合ってます?)。筆者のつたない理解が正確であれば、唯一ある状況でアルコールは作業者の役に立つだろう。そう、眠いときだ。眠いけど作業のキリをつけたい、終わらせたい時、どうするか。アルコールを取ろう!あなたが眠気を感じる時、脳内では副交感神経が優位になり、血管が弛緩して血圧が下がり、全身がリラックスしていく。そこに酒をぶち込むのだ。上記のようにアルコールの効果は副交感神経の働きを相殺するだろう。ただし飲み過ぎはいけない。深酒をすれば2.で示したようなマイナス効果があたなを襲うだろう。 




 以上が作業に対するアルコールの効果の備忘録である。後で参照して活用…するかは正直怪しいが体系的な理解の助けになれることを望む。




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作業BGM

作業BGMの重要性について気づき
(この文章は深夜2時過ぎにタイプしている)

作業BGMの重要性について、それが普段の認識よりも遥かに大きいという事を順序だって記述する。忘れた頃に読み返して作業効率を上げなさい。


1.なぜ作業BGMを聞くのか

 聞かなくてもいいのではないか、または映画やレイディオでもいいのではないか?という疑問が存在するが、これらは明確に否定される。以下で外堀を埋めていくことにする。

 まず、聞かなくても良いのではないかという部分についてだが、これは論外である。次項で詳述するが、作業BGMなどは作業に集中するための措置である。受験勉強を思い出して欲しい。望んだわけでもないのに社会のレールのとっかかりを掴むために意味の分からない勉強をさせられる。ストレスの塊と言っても差し支えないような行為を、昭和の体臭が抜けていない体育会系の中年教師やカリスマ気取りの塾講師の言うがままに勉強部屋で音楽もかけずに集中してやらされた。能率や成果などあってない作業で大きく消耗しただろう。つまり何が言いたかったかというと、あらゆる作業には程度により固有のストレスが生じ、かつ楽しくない作業は外乱が加わると気が散って度々中断されるのだ。閑静な住宅街の防音がしっかりした個室で勉強している子はいいが、隣で母親がテレビを見ている居間や、近所のガキどもが叫びまくる公園の近隣では音楽をかけないとかえって環境音が耳に大きく入り込むことになる。国語の文章問題を理解している時に俳句王国など流れてきたら読解どころではない。音楽はこれらの2つの問題、外乱と作業ストレスを同時に緩和する効果を持つ。ほんの少しグレードの良いヘッドフォンをつけて音楽を流していれば小音でも外の音などどこゆく様、ソニーのノイズキャンセリング技術を使えば気分は雪の降りしきる茅葺屋根の下である。集中を途切れさせる作業ストレスも、小気味良い音楽は緩和してくれるだろう。

 次に映画やアニメではどうかという点だが、これについては止はしないが、やはりおすすめしない。一般論として、映像は音楽より次元が一つ多い。すなわち音楽が耳だけで楽しむものであるのに対して、映像は耳と目で楽しむ。作業の種類にもよるが、パソコンで絵を描くにしろワープロに打ち込むにしろ、たいていの作業は視覚を使う。作業能率を上げるために見ているはずなのに、視線は映像の画面に釘付けで手は動かず…と、こういう経験は少なからずしているものと思う。特にいけないのが字幕の映画だ。あれは音だけ聴いても何にも分からないので、常に画面を見続ける必要がある。以前気になってあえて字幕映画を見ながら作業してみたことがあったが、だいたい作業画面に目を戻せるのは5秒に1秒程度で、すぐ映画に目線を戻してしまうので全く作業にならなかった。逆に言えば、日本語吹き替え映画やアニメを音として聞く(つまりBGV)のは問題ないことになる(集中できるかは別問題である)。たとえば私は押井守監督の「イノセンス」やアニメ「天保異聞妖奇士」を時々BGVに使っている。前者などは作業のお供にしすぎてかれこれ50回以上は視聴しているだろうし、後者にしても全30話ほどだが20周はしている。推測だが、これらがBGVとして成立するのもまさにこの「何度も見た」からなのだと思う。つまり、セリフやSEや音楽を聞くだけでシーンが頭に浮かんで、劇中で何が起こっているか認識できる=目を使わずに視聴が完結する状態の作品でなければ、上記の例のような画面と作業を行ったり来たりするはめになってしまい、結果的に効率は落ちるのだ。

 最後にもう一つ、ラジオだ。これは上の2つに比べれば遥かに作業に適していると思う。頼まなくても音楽が流れてくるラジオは、作業の前に何時間もかけてYouTubeで今日の作業BGMの動画を探す手間が省ける。しかし、その「勝手に流れてくる」のが最大の問題だと私は感じる。自分好みの曲が流れている間は良いだろう。控えめなMCのくぐもった声による音楽トークや、交通情報もまぁ良い。だが全く好みでない音楽や、集中を阻害し神経を逆なでさせるようなトークが始まったらどうなる。せっかく安定期に入った集中は途切れ、あなたは恐らくラジオの選曲を変えるだろう。それならまだいいが、ちょっとだけよとSNSでもチェックし始めれば一巻の終わり、今日の進捗はそこで打ち止めとなるだろう。つまり、ラジオの不均一さが問題なのだ(個人の観念です)。


2.どんなBGMがいいのか

 では理想のBGMとは何か、それをこれから要点ごとに説明しよう。
(以下は個人の好みによる解釈であり、一般論ではありません)



・言葉として認識しづらいものであること

 これはBGMの要件としては最も重要かもしれない。曲が日本語で、かつ文章が話し言葉に近いリズムで入っていると耳はかなりの精度で言葉を拾って、曲が流れる都度脳に言葉の信号を送ってくる。書類作成や小説執筆で、頭の中で日本語を組み立てているなかで横から関係ない単語や文章が矢のように飛んできてはたまらない。絵を描くぶんにはそれほど問題にならないが、やはり文章を認識する過程に脳のリソースを割くぶん集中が阻害される気もするので、気になる人は日本語の曲は避けるのがいいかもしれない。
 理想をいえばインスト曲がいいが、英語の曲を聞くのもいいだろう。英語ペラペラのバイリンガルや帰国子女ならいざしらず、大抵の日本人は意識しなければ英語なんかシンセサイザーで作った複雑な音と一緒だ。テンポのいい曲が好みの人にとっては英語のラップ歌詞などが入るとむしろストレス緩和に役立つかもしれない。



・聴いてて気持ちよく、ループして聞くのに適しているもの 

 ここまで偉そうにまくし立てておきながら曖昧で申し訳ないのだが、音楽理論のオの字もない私は抽象的な言葉で伝えるほかない。
 何と言っても肝心要なのは聴いてて気分が良くなることだ。人間は本能的に音楽で快感を覚えるそうなので、誰しも何かしら好みの音楽などがあるものと思う。そのなかで上記の条件に該当する曲を聞いて欲しい。私であればジャズや電子音楽やヒップホップなど、普段から聴いていて快感かどうかだけを尺度に音楽を選んでいるので、目ならぬ耳に適ったものを選んで聴いている。また、この点については私見でしかないが、幾つかの曲をプレイリスト形式で流すよりは一曲を延々ループさせるほうが良いだろう。上に書いたラジオの問題と動揺、より上を求めるなら均一さは欠かせない。お気に入りの曲を複数ランダムやミックスリピートするのがダメとは言わないが、曲の変わり目で意識が現実世界に戻ってしまう可能性がある。ソーセージリンクと千歳飴の違いと言って伝わるか分からないが、そういう話である。さらに、無限ループなのでこの千歳飴は円環をつくっている。




3.さいごに

 最後が少々尻すぼみだったが、理想的な作業BGMの要件についての持論は概ね伝わったものと思いたい。こうして駄文を積み重ねたのは後年の自分のためであるのはもちろんだが、集中する方法について強い執着を持っている人間が居て、一つの最終解といえる持論をもつに至ったことを誰かに知ってもらいたいからでもある。
 人間の器官にスイッチオフはない。寝ている時ですら目は像を視続け耳は音を拾っている。強いて言えば目は瞼を閉じればものを見るのを止めることができる。子供の頃に瞼の裏を見ようとしたことは無いだろうか?どう頑張ってもたいしたものは見えなかったはずだ。目の構造上接触するほど近いものは像が結べないので見ることが出来ないと、後になってから知ったはずだ。しかしそもそも、人間は瞼を下ろしている間ものを見てないのではないか。眠る時に”何も見ていない”状態に入るために、目を閉じるとそもそもものを見る事を辞めてしまうのではないか。幼少の私はそう思った。それが事実かどうか未だに分からないし調べるつもりも無いが、耳に同じような”サイレントモード”があれば、外乱を1次元減らすことができるはずだ。私はその信念で日々作業BGM用の曲をYouTubeで探している。人間の器官と知覚・意識いう難物をいかにコントロールし、自分の望む行動を最大限の効率で行える人間になるか、という言い方をすると大切っぽいでしょう?(そうでもないか)しっちゃかめっちゃかになってしまったが以上だ。

プロフィール

複素数

Author:複素数
名前:複素数
新都社で『伯方さんと僕』という漫画を連載しています。http://neetsha.jp/inside/comic.php?id=12094
pixiv: http://www.pixiv.net/member.php?id=797664

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